スピーカーを入れ替えたお話

#Sound

私のMM-1があああ

私は寝室にBOSE MM-1を使ってた。

MM-1は1997年に発売されたデスクトップスピーカーで、12W。 ドライバサイズは5.7cm(2.25インチ)。

後継はCompanionシリーズということになるんだけど、ちょっと位置づけが違うから、今はないポジションのスピーカーってことになる。MM-1のサイズはW84xH182xD202mm。高さ、奥行きは少しあるけど幅がないので設置しやすい。 そもそも音はMM-1のほうがいい。

特徴は

  • 小さくて省パワーながら低音ずっしりしたサウンドでデスクトップでとても良い
  • RCAが2系統で、ミックスが可能(バランス調整ツマミがある)
  • 私のは「音が劇的に悪くなった」と評判の後期型

という感じ。

音はざっくり言えば、シネマ志向のスピーカーで、低音がこもった押しの強いもの。 全体的にこもり感があるからYouTubeとか音楽とかにはそんなに向かない。 YouTubeならクリアで聞きやすい音のMS-76MAどころか、TVのほうが聞こえが良いくらい。 音楽に関してはMS-76MAで聴くよりはいいけど、リスニングスピーカーとして選ぶならすごい微妙な感じ。

だからそんなにいいわけじゃないんだけど、このサイズでこのサウンド出せるスピーカーってあんまりないんだよね。 それに、比較的良いスピーカーとして長年使ってきたから愛着もある。

そんなMM-1なんだけど、最近ノイズがひどい。 ジーーーッていう音とともにキーーーーンって音がして、頭痛と吐き気がしてくる。

これは電源ノイズなのは明らかなんだけど(右スピーカー単独で電源ONにするとノイズが鳴る)、アダプタを交換するのはちょっとむずかしい。 DC12V 2Aでφ5.5/2.1というアダプタは別に珍しくもなんともないんだけどさ、基本的にスイッチング電源なんだよね。

スイッチング電源はノイズ源になっちゃう。安定化ACアダプタで12V/2Aなんてものは見つからず…

まあ、ACアダプタさえあれば復活する(と思う)わけだから、別に捨てることはないんだけどさ。ただ、このノイズじゃとても使えないよね。

BX3

BX3はM-Audioの3.5インチのモニタースピーカー。 3インチでそこそこコンパクト(MS-76MAみたいな超コンパクトではなくて普通に3インチなサイズ)だけどトータルピーク120Wという爆音対応のモニタースピーカー。

120Wって8インチくらいの出力よ。全モデルのAV32は20Wなのにどうしちゃったのよという爆音対応の仕様。 というか、3インチで120Wの出力って受け止められるものなのね。 なおRMSは50W。出力自体も3インチにしては随分大きい(4インチのBX4も同じ仕様)。

公式には

M-Audio BX3はPodcast配信、ライブ配信、ゲーミングや会議会場などでの使用に最適な1台です。

って書かれているけど、入力はRCAと6.35mm TRSバランスで、かなりしっかりとモニタースピーカーしてる。

フロントに3.5mm inと3.5mm outがあり、それぞれ履いたになってる。 (入力に挿せばフロントの音だけが鳴るし、出力に挿せばスピーカーは鳴らなくなる)

さらにアクティブの左右入れ替えができたり、音声入力がないとスリープになる(電源オンにしたままでも音声ノイズが気にならなくなる)と、すごく使い勝手がいい。

いいのは使い勝手だけじゃなくて、音も素晴らしい。これで12000円しかしないんだよ!? なお、BX4もそんなに値段変わらないけどもっと音がいいらしいので、置けるなら絶対BX4がおすすめ。

個人的には思い入れもある。

M-Audioのスピーカーは以前は3インチのAV30、4インチのAV40、5インチのBX5、8インチのBX8という構成だった。 直前のモデルだとAV32, AV42, BX5D2というものになったんだけど(8インチは消滅)、AVシリーズはあんまり音がよくなかったのに対して、BX5は本当にいい音だった。

そして、私はリサイクルショップでBX5が6000円で売られているのを見つけて、「よし、買うぞ!」と思ったんだけど、一回帰ってもう一度行ったらもう売り切れていたんだ。 それが悔しくてしょうがなくて、BX5ぅーと思い続けてたんだよね。

それが、5インチモデルがなくなって、3インチ、4インチモデルがBXの名前を冠するようになった。 だから期待を込めて買ってみたんだけど、本当にいい音だった。

BX3を寝室に、ワークルームには…

寝室のMM-1が壊れたので、BX3を持ってきた。 BX3の使い勝手の良さはむしろ寝室で活躍するからね。

BX3がテレビとタンスのすきまにものすごいピッタリで、隙間は1.5cmしかない。やっぱり寝室にBX3だよね!!

結果、すごいよかった。

MM-1は微妙に出力不足の傾向があり、入力に対して鈍感、YouTube(音がかなり小さい)だとM-TRACKで70%出力・MM-1で50%出力で普通の聞こえ具合になる感じ。 ソースが小さいと聞こえづらいなぁ、と悩んでた。

対して、BX3だと、M-TRACKで15%、BX3は25%ぐらいが適正で聞きやすい。 MM-1と比べるとソースの小さいYouTubeでも聞きやすくて、極端な音量差を感じなくなった。

もちろん、BX3は音楽を聴くのにも素晴らしいスピーカーだから、寝室でのリスニングにはMM-1はなぁ、という感覚(音楽を聴きたい時はヘッドフォン)が抜けて快適度がぐぐぐんっと上がった。

でもそうすると問題として、ワークルームのScarlett 2i2につながるモニタースピーカーがない。 リスニングはSC-F103SGっていうスピーカーがあるので、それでいいんだけど、モニタースピーカーがないのも、Scarlett 2i2にスピーカーがつながってないのも微妙。

じゃあ何を買う? って考えた時に「BX4……」ってなっちゃうのよね。

勘違いしないで欲しいんだけど、BX3の音は感動するほどめちゃくちゃ良いとか、私の好みにドハマりしてます、とかそういうことは特にない。 単に、いい音で、しっかりしたスピーカーで、使いやすい。ということなのだけど、でもそれ以上にニアフィールドで最高に好みのスピーカーというのは見つけられていないから、絶対間違いのないスピーカー、で、BX3がいいんだし、やっぱBX4が欲しいなぁ、と思ったりするの。

でもさぁ、BX3を持ってるのにそんなに大きく違わないBX4買うのっていうのもどうだろうね。

というわけで…

JBL 305P MkII!!!!

知る人ぞ知る、というか割と有名な5インチのモニタースピーカー。 ニアフィールドモニターでありながら頭がセンターになくてもバランスが崩れないという特徴があるというのが有名要素その1。 そして、基本的に1本16000円税別で売られているけど、サウンドハウスは結構な頻度で21600円税込みで売っているというのが有名要素その2。

4インチと5インチってそんなに違いがないように思えるけど、基本的に4インチはデスクトップスピーカーなのに対し、5インチは違うので机上に置けるサイズじゃなくて、スピーカースタンドが必要になる。 だから、5インチというとかなりでかいし、出力も段違いに大きい。 305P MkIIは高さが30cmほどあり、出力も82Wもある。

音の面でも、4インチと5インチは基本的に全然違う。 5インチは圧倒的に質量と密度を感じる音で、比べると4インチはぺらっぺらに聴こえちゃう。 もちろん、5インチにだって音そんなによくないのだってあるけど、根本的な違いを感じる。ミニスピーカーの音がどんなによくったって4インチのデスクトップモニターとは全然違うよね、っていうのと同じく、やっぱ4インチのデスクトップモニターと5インチのニアフィールドモニターは比べるのは難しい差が出やすい。

じゃあ、「音にこだわるなら5インチ」と言えるかというとそんなこともない。 5インチのスピーカーは小さいものでも65Wくらいの出力があって、鳴らすにはそれなりの出力が必要になる。 音を絞って聴く場合に関しては、5インチだとまともに鳴らなくて、結果4インチのほうが良いってこともある。 むしろ、3インチのほうが良いってことすらある。

前述のとおり、BX3はかなり高出力なスピーカーで、スピーカー側のアンプは25%前後がせいぜい。 それより上げようと思うと、インターフェイス側の出力をかなり絞らないといけない。

それでも、家の構造上、ワークルームは寝室よりは音が出せる(寝室は壁近くだし、遮音性も寝室のほうが低い)こともあり、5インチに挑戦してみてもいいかな、と思った。 これは結構なリスクではある。8インチみたいに爆音でなきゃ鳴らないみたいなことはないけど、そこそこ鳴らす必要はある。 75dB SPLくらいを基準にされることが多いけど、これは防音のしっかりした上でないと厳しいレベル。普通に楽器並の音だから。

ちなみに、私のリスニング音量としては、寝室だと62dBAくらい。夜間は58dBAくらいまで落としてる。 鳴らしたまま外に出たことがあるけど、窓際に立っても聴こえないので、多分これくらいなら寝室でも大丈夫だろう、と思ってる。 まぁ、62dBAで聴こえるようじゃ、喋ってる声とか丸聞こえってことになるからね。

対して75dBAっていうと、うるさい掃除機みたいな音なのでちょっと厳しい。 日中でもせいぜいが70dBAくらいだと思う。これで目覚ましくらいの音。 日中ならよその家で目覚ましが鳴っていてもそんなに気にならないだろうけど、聞こえたりはすると思う。 私は生活してて特定の他の家の目覚ましが聴こえるので、これが目安かなぁ。 普通に静かめのキーボード(RealForce)叩いてる音も70dBAくらいあるから気にしすぎなのかもしれないけど。

305P MkII

コンポ向けのSC-F103SGも5.5インチのユニットを持っているタイプで5インチの305P MkIIよりも大きいものだけど、サイズ自体はSC-F103SGよりもだいぶ大きくて存在感がある。 なお、重量はSC-F103SGはパッシブで5.3kg、305P MkIIはアクティブで4.71kgと305P MkIIのほうが軽い。

1本売りしているスピーカーなので、それぞれがオーディオケーブルと電源ケーブルを個別につなぐタイプ。 もちろん、アンプが両方にあり、ボリュームも個別に設定する。 この点、使い勝手はコンパクトなBX3とはだいぶ違う。それに、ボリュームも電源も後側にあるので触りにくい。

パワーランプはJBLロゴの下に目立たない形で配置されてる。

実際に鳴らしてみた感じでは、やっぱり鳴らしきれない。 75dBAほどで鳴らしてみたけど、余裕たっぷりで明らかにちゃんと鳴ってない。

ちゃんと鳴ってないといっても、ちゃんとドラムやベースラインを識別できる(採譜できるレベルで聴き取れる)から問題はないんだけど、とてもすっきりした音でパフォーマンスを引き出せていないのを感じる。 多分、90dBA前後は必要。ちょっと一瞬ボリュームを上げて78dBAほど出したらベースラインがぐっと前に出てきたので音量上げたらかなり艶のあるいいサウンドなんじゃないかなぁ。 少なくとも私のリスニング環境ではこいつの力を引き出せないので、このスピーカーを評価するのは無理そう。

ただ、小さい音量で聴いた場合でも魅力はある。 ちゃんと小さい音がフォーカスすべきメロディラインが前に出て、それでいながら低音も埋もれることなくちゃんと鳴るので、小さい音量でヴォーカルを聴きたいっていうリスナーにも合うものだと思う。 音量絞るとそういうキャラクターで、音量出せば低音に艶があるっていうのはすごくニーズに合ってるから、そういう二面性もアリなのかもしれない。

この季節だしジャズも聴いてみたけど、ハマりはすごくよかった。スウィングジャズはこのスピーカーのおすすめジャンルになるかもしれない。 ポップスやロックも別に違和感はないけど、聴いた中ではスウィングジャズとEDMにすごくハマってた。 EDMだとバランスの関係上低音も良く鳴ってたので、やっぱ低音の出るスピーカーぽい。

あと、やっぱ5インチなので、という面は大きくて、3インチや4インチだとそもそもスピーカーで聴くメリットがヘッドフォンの閉塞感から逃れるということくらいしかなかったりするんだけど、305P MkIIはしっかりと空間が音で満たされるような広がりがあって、ヘッドフォンでは味わえないオーディオ体験ができる。 ただ、その分「離れても聴こえる」スピーカーなので周囲には気を使ったほうがいいかな。

距離要求は5インチにしては控えめで、1.5mくらいかな。デスク上やデスクサイドだと近いけど、デスク前に置くことができれば足りる。 だから問題は部屋の広さよりも遮音性。

キャラクタ的には爆音スピーカーというタイプではなくて、その意味ではむしろBX3のほうが爆音スピーカーっぽい。 単純にでかくて余裕たっぷりだから、ちょっと音鳴らすとでかい音になるよね、みたいな感じ。 音の感じからすると爆音適性はそこまでなさそうかな。

電源がアースとるタイプだったけど、さすがにスピーカーまでアースをとる取り回しは難しいので諦めた。

「電源が2本、接続はTRSフォン2本かXLRで2本、大きさはだいたい30cmの箱」というスピーカーだからそんな気軽に勧められるものではないけど、鳴らせるなら音質的にはかなり良いし、2万円くらいのスピーカーだなんてとても信じられないくらいではある。 小さい音量で聴くとしてもスペースに十分余裕があるなら小さい音量で聴く人でもすっきりした音が好きならアリ。 モニタースピーカーだけど、モニターとしてもリスニングでも結構良さそう。

入れ替えた結果

PC 場所 インターフェイス スピーカー 用途
Z570 ワークルーム 内蔵(Realtek) MS-76MA システム
Z570 ワークルーム RX580 ET322QKwmiipx なし
Z570 ワークルーム Audio4DJ DRA-F102/SC-F103SG リスニング
Z570 ワークルーム Scarlett 2i2 (3Gen) 305P MkII モニター
B550 寝室 RX5700XT 32A2 システム
B550 寝室 M-TRACK DUO BX3 アプリ

“MS-76MA” はELECOMの小型スピーカー。3インチ/9W。 非常に小さい(W90×D106×H150mm)けど結構クリアな音が出て、システムスピーカーとしてはすごくいい。 この小ささと音が貴重で、もう20年くらい使ってるけど捨てられない。これ壊れたら本当に困るな。5000円くらいのスピーカーなのに。

“ET322QKwmiipx” はAcerのディスプレイ。音はほんと出るだけ。

“SC-F103SG” はDenonのハイコンポシステムに組み合わせられるパッシブスピーカー。 チューナーアンプのDRA-F102と組み合わせるもので、もともとはSC-F102SGというスピーカーが組み合わせられてたんだけど、CD/HDDシステムのCHR-F103が発売されたのに併せてDRA-F103にマイナーチェンジした。 でも私の手持ちはなぜかDCD-F102と組み合わせられてるんだよなぁ…

寝室はもともとはMM-1をデフォルトスピーカーにしてたけど、BX3はオートスリープになってしまうため通知音とかが鳴らないという問題があり、システム音はテレビから出すようにした。

ワークルームは部屋いっぱいに使っているので、結構スペースもとってるし音量も出せるほうだとは思うけど、SC-F103SGには音量要求も距離要求も全然届かず、305P MkIIの音量要求にも厳しいので、やっぱスピーカー鳴らすのは難しいなぁと改めて思った。

音を気にしなくていい家を建てたいなぁ。

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